「まだいくらか言いたいことはあるけど、

これ以上追及したら愛樹がパンクしそうね。」

ようやくパスタを食べ終わった理奈ちゃんは、そんな意味深なセリフを私に投げる。

「それに、周りがあまりに口を出しすぎるのも良くないんだよね。

愛樹が気づくのが先か、章吾が勇気を出すのが先か、ってとこかな。」

私には、理奈ちゃんの言っている意味がわからない。

ただ、今の私は

藍田くんと一緒にいたいって自分が感じていることを知った、それだけ。

別の子じゃなくて、私の隣にいてほしい。

ずっと、私に飽きないでいてくれたらいいのに。

貪欲だ。贅沢になってるな。

さんざんぼっちだったくせに、こんな私がこんなこと考えるなんて。

でも、一度味わったこの幸せ、逃したくない。

私だって、人間だもの。思うくらい、いいよね?

・・・ただ、彼といたい。それだけ。




この感情を、人はなんて呼ぶの?

この時の私には

そんなことまで、考えられなかった。