「え、愛樹ってバカなの?」
ば、ばか!?
「どうして?」
どうしていきなりそんなこと言われたんだろう、私。
「だって、そうでしょ!
もう一回言ってみ?章吾が愛樹といる理由。」
「だから、私で暇つぶししてるんだと思う・・・。」
「ほら、バカじゃん。」
「な、なんで!」
理奈ちゃんは、はぁ~っと長い溜息をついて、次の一口を口へ運ぶ。
「なわけないじゃん!
あの章吾が、そんなめんどくさいことを暇つぶしですると思う?」
めんどくさい?
私といることが?
少なからずショックを受けながらも、そのまま理奈ちゃんの話を聞く。
「章吾に限ってありえない。
私は知ってる。章吾は、のらりくらりなの。
女がどれだけ章吾と二人でいようと画策しても、のらりくらりと上手いことそうさせてくれないの!
ホント・・・うまいんだから。」
なにかを思い出したのか、まるで具体例があるかのように話す。
「その章吾が、暇つぶしで女と二人で毎日過ごすわけないでしょ!」
そう、なの・・・?


