理奈ちゃんからのラインの内容は、部活が終わったというものだった。

理奈ちゃんはバレー部に入っていて、休んでいた分を取り戻そうと今必死だと言っていた。

一緒に帰る約束をしてたから、連絡してくれたんだと思う。

「理奈ちゃんが、部活終わったって。」

「そっか。」

藍田くんは短く返事をして、少しつまらなさそうにノートをとじ、荷物を片していく。

「藍田くんも帰るの?」

「まーね。でも、一緒には帰らないよ。

理奈の奴、俺がついていくと不機嫌だし。」

まえに、一緒に迎えにいったら『章吾は一人でお帰りくださーい。』と追い払うように手を振っていた記憶がよみがえる。

少しおかしくてクスッと笑ってしまう。

そんな私を見て、彼は優しく目を細める。

この表情に、最近の私はとまどってしまうんだ。