それでも彼は、私にとってはとてもとても遠い存在。

可愛い女の子でさえ、彼に容易には近づけない。

藍田くんはどこか周り、特に女の子と距離をとってるようなところがあって、なんだか壁みたいなものがある。

彼の周りはみんな笑顔で、彼ももちろん同じように笑ってるんだけど、

どこかその笑顔が上辺だけな感じもする。

そんなこと思ったけど、私には何にもできなくて

ただ、彼がくれた私のクラスでの居場所を大切にしながら、

静かに

やっぱり、相変わらず一人ぼっちで私は過ごしてきた。

中学までよりは、ずっとずっとクラスにいることが嫌じゃなくなった。

自分の居場所がないって感じることもうんと減った。

藍田くんのおかげ。

一人で本を読みながら、

いつか・・・・彼にお礼が言いたい。

笑われるだろうし、変な奴だと思われるだろうけど

それでもちゃんと感謝の気持ちを伝えたい。

そう思っていた。