「章吾ー。」
売店に向かいながら、俺と玲二だけ団体の少し後ろを歩いていた。
玲二は、俺にだけ聞こえるような声で話しかけてくる。
「理奈のことも、一応解決したし
そろそろ告れば?」
「・・・は?」
「ぼちたにさんに。」
「なんで?」
確かに、理奈のことはずっと気になってたし
理奈にあんなことしといて愛樹との時間を楽しむことに罪悪感がなかったとは言わないけど。
でも、終わったから、はい告白って・・・それは無理だろ。
「理奈とぼちたにさんのあれ、なんか知ってんだろ?
てか、おまえそのきっかけとなるとこに、たぶんいたろ?」
玲二の、このやけに鋭い勘はなんなんだ。
「そうやってずっと付きまとってるだけじゃ、なんも進まないぞ?
とくにぼちたにさんみたいなタイプは、鈍感だし、はっきり言わないとわかんないと思うよ?」
「だろうな・・・。」
「だろう?とにかく、告ってスタートさせろ?
おまえん中は知らねえけど、彼女の中ではなんも始まってないから。
章吾がちゃんと言わないと、始まるものも始まらねえから。」


