「藍田くん、先帰ってもらってもいいかな?」

俺の考えた矢先、愛樹は首だけ振り返って告げた。

「私はもう少し矢崎さんとお話がしたい。矢崎さんさえよければ。」

理奈はなにも言わず、愛樹の肩に顔をうずめている。

「うん、俺帰るわ。

理奈のこと頼む。・・・まあ、俺が頼むとか言える立場じゃないけど。」

理奈はそっと顔を上げて、涙でぐちゃぐちゃな顔で俺を見た。

そんな理奈に告ぐ。

「本当に悪かった。

学校で、待ってるから。そろそろ来て。」

少しだけ笑った気がした。

俺の気のせいかもしれないけど。