「理奈~、誰この子?
超~~~可愛いんですけど!?」
理奈より先に、一緒にいた男たちが愛樹を取り囲む。
俺も、もちろん黙って見ていられなくて、愛樹を追いかけ、愛樹と男たちの間に入った。
「なに、彼氏?さすが、彼氏もかっこいいね~。
てか理奈の知り合い?」
男の一人がにやにやしながら理奈の肩を組む。
彼氏、か。一応そう見えるのか。
こんな状況なのに、彼氏と言われて喜ぶ俺って低俗だな。
「理奈。」
俺は男たちには目も向けず、理奈を呼んだ。
ビクッと体を震わせている。
「あのときは、ごめん。」
理奈に会ったら、まず謝ろうと思っていた。
謝って済むことじゃないけど、でも謝ろうって。
理奈はなにも言わない。
代わりに男たちが、絡んでくる。
「え、なになにこの空気~。訳アリ?」
なにも知らないんだろう、こいつらは。
理奈だって、話したくないだろうし。
「悪いけど、あたし今日パス。抜きで遊んで。」
理奈は男たちにそう言って、去るよう促した。
男たちも、不思議そうな顔をしつつも俺たちにもう絡んでくることなく去っていった。


