「矢崎さん・・・・!」

愛樹が思いもよらない行動をとった。

男たちといる理奈のもとへ駆けだしたんだ。

「ちょっ、愛樹!?」

びっくりして咄嗟に愛樹の手をつかむ。

「どこ行くんだよ。」

「だ、だって!矢崎さんがいるから。」

「だから、どうするんだよ!」

「大丈夫かなって。ずっと来てないから、心配でしょう?」

心の底からそう言う愛樹に、やっぱり俺は叶わない。

俺だったら、自分にひどいことした奴に、こんなこと言えない。

むしろ、無視する。

もう来なくていい、とさえ思う。

愛樹は俺の手を「ごめんなさい。」と言って振り払って、そのまま駆けていった。