「じゃあ、愛樹の初めて、一つ俺がもらっちゃったね。」

にこっと笑いつつ目を見つめる。

予想通り赤くなる愛樹が可愛い。

「こ、光栄です・・・。」

ぺこりと頭をさげる姿に、今度は俺が赤くなる。

光栄って・・・なにそれ、期待するんですけど。

「こちらこそ。」

なんだかつられて頭をさげてしまった。

なにやってんだよ。

「あ、藍田くんは！どうなの？」

「なにが？」

「えっと、初デート？

いつだったの？・・・あと、誰とだった？」

ちょっと緊張したように俺を見てくる。

「なに、俺のこと気になるの？」

また、変な余裕の俺がでてくる。

これは性分みたいなものだな。とくに愛樹には。

好きだとからかいたくなるのは、男の本質みたいなもんだろ。