ずっと思ってたことだけど、愛樹って極度の鈍感というか、天然なのか?

絶対そうだよな。

俺がこんだけアプローチしてんのも、響いてないし。

とんちんかんな方へばっかり思考が向いているし。

「ごめん、藍田くんの言っている意味がわかりません。

お兄ちゃんの妹であることは真実だけど・・・え?それが?」

「・・・うん、なんでもない。」

あきらめよう。

「えー。」

不満そうな愛樹の声が聞こえてすぐ、頼んだドリンクが運ばれてきて、俺たちの意識はそっちへ向いたから、この話題は必然的に終了。

「で?どうなの?俺とのデート。」

俺的には、こっちが本題。

楽しんでくれてるのかな?まあ、勉強してるだけだけど。

「デ!?・・・やめてください。」

しゅるしゅると小さくなっていく。

いやいや、それこそやめてくださいよ。

ちゃんとデートって意識持って過ごしてるのかよ!

「愛樹って、これが初めてデートだよな?」

じゃないと、怒るけど。

コクコクと頷く姿に安堵する。

「デートどころか、家族や幼馴染以外の人と出かけたのも初めてです。」

だろうな・・・。とちょっと失礼なことを思う。