ぼっちな彼女に溺愛中

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「そう、それでね。この数式にさっき求めたXを代入したら・・・」

「あー!解aが求められるのか。」

「うん!」

俺たちは、健全に図書室で勉強を行っていた。

でも、俺の頭の中は健全じゃない。

愛樹との距離が近い。

机に二人並んで、愛樹が主に教えてくれてるんだけど、俺のノートをのぞき込む体制のことが多くて

基本的に距離がめっちゃ近い。

愛樹の髪から漂ってくるシャンプーの香りとか

近くで見ればゾっとするほど綺麗な白い肌とか

長いまつげと、通った鼻筋が際立つ横顔とか

いろいろ、やばい。

見惚れる・・・。

「藍田くん?」

ぼーっと愛樹を見ていた俺に気付いて、首をかしげる。

「あーごめん。」

ハッとしてまたノートにシャーペンを走らせるけど、健全じゃない頭の中で考えたって問題なんて解けやしない。

すぐ止まってしまうペンを見て、愛樹が心配そうに眉を寄せた。

「疲れた?休憩する?」

「そう、だな・・・。」

おもむろにスマホを見たら、15時をまわったところ。

それでも2時間くらい勉強してたのか。

ちょっと休憩してもいいかも。