ぼっちな彼女に溺愛中

愛樹は、目を左右へきょろきょろさせながら、

最後に俺を上目遣いで見てくる。

なに、俺のこと好きなの?

そんな可愛く俺を見つめてくるとか、俺のこと好きなわけ?

また都合のいい考えにいく。確実に調子乗ってる自分。

「お兄ちゃんが。」

「は?」

和樹??

「藍田くんと、勉強会することを知られちゃって

そしたら、日ごろの恩返しをしたいならこの格好で行けって。

眼鏡も、今日はやめてコンタクトにしろって。」

なんだそれ。

和樹、どういうつもり?

俺のこと応援してくれてんの?

「・・・で、この格好を見たときの藍田くんの反応を教えろって。」

・・・・あ、ちげえな。

あいつ、俺で遊んでやがる。

和樹に腹が立つとともに、愛樹の意思ではなかったことになんだか、テンションがさがっていく。

うん、だよな。そーだよな。なわけねーよな。

一瞬でも、浮かれられてよかったと思おう。

それに、今日一日この格好の愛樹と過ごせることに、感謝しよう。

俺は、若干虚しくなりながら鼻を鳴らして

でも、やっぱり愛樹と一緒にいられるのはうれしくて、にっこりと微笑んだ。