ぼっちな彼女に溺愛中

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待ち合わせ場所。

愛樹はまだ来ていない。

時間は、10分前。

てっきり愛樹は15分くらい前にはついていそうだったから、ちょっと急いできたけど、まだ来てなくてよかった。

5分前には、きそうだけど。

愛樹のことを思って自然とゆるむ頬を、一人で取り繕いながらスマホにまた目をやる。

スマホいじりながら時間つぶすかー。

SNSをあさったりしていると

「あの・・・!」

聞き覚えのある高い声が耳に届いた。

パッと顔をあげ、息をのむ。

え・・・?愛樹・・・?

なんで?

「え。」

俺の口からでたのはたったそれだけ。

心臓がどくん、と鳴って、そのまま脈を大きく早く打ち始める。

体中の血液が沸騰していく。

顔と耳に、熱が集まり、鎖骨がきしむ音がする。

ごくん、と生唾を飲んで一旦落ち着こう。

「ごめんなさい、さっきからいたんだけど・・・

藍田くん気づかないから、声をかけました。」

さっきから、いた?

俺が気づかなかった?

そりゃそうだろ。

だってさ、だって・・・・