ぼっちな彼女に溺愛中

握っている愛樹の手を引き、共に立ち上がる。

俺の肩よりも少し低いくらいの愛樹の身長。

俺を見上げる好きな色の瞳。

見つめ返して少し微笑んでみせると、恥ずかしそうに視線をそらす。

相手を操るってこういう感じかな。

俺、できてる?

まあ、なんでもいいか。もう。

「勉強、しよっか。」

「うん。」

頷いて、元いた席についた愛樹の前に座る。

座ってから、どちらからともなくまた視線を合わせる。

そして、なんかやっぱり照れくさくてお互いにはにかみ笑いあう。

この空気、気まずいな。でも、全然嫌じゃないわ。

なんだこれ・・・。

「テスト、出そうなところ、教えて?愛樹。」

俺が名前を呼ぶと、やっぱりまだ少し反応している。

でも一生懸命、普段通りを装っていて、そんなところもやっぱり可愛い。

愛樹は、大きく頷いて眼鏡をかけた。


二人きりの勉強会初日は

俺が愛樹って呼んだ初めての日にもなった。