ぼっちな彼女に溺愛中

「どうして、見てるの?」

「見てたいから。」

たまらなくなったように、視線をそらされた。

逃げないで。

市谷が逃げてしまいそうで、膝の上にあった市谷の手をとった。

「藍田くん、なんか今日変だよ。」

「うん、俺もそう思う。」

「なにそれ・・・。」

少し笑ってくれた。

「それで?」

「え?」

「市谷愛樹さん、

あなたのことを、俺は名前で呼んでもいいですか?」

きゅっと手を握る。

市谷の手は、少し暖かくてすべすべで、小さくて白くて、やっぱりずっとこのままでいたいと思う。

「愛樹って、呼びたい。」