「あー、もう!
ちょっと待ってください!!」
何度目かの後、市谷はこの上なく頬を赤く染めて両手で俺の口をふさいできた。
~~~~っ!!!
いきなりのことだったし、準備なんかしてない。
これが反則じゃなくてなんだっていうんだ。
今度は俺が赤くなる番だった。
初めて、市谷から触れられて、驚いて名前の連呼は止まった。
「あ、ごめんなさい。」
パッと俺から手を離し、照れくさそうにしながらも、俺をじっと見つめる。
顔が伏せ気味のままだから、その見つめ方はいわゆる上目遣いで。
しかも、今気づいたけど市谷との距離は確実に1m以内。
近いし、上目遣いだし、顔赤いし・・・
なんの拷問だよ。


