市谷は、ボッと頬を染める。
・・・あ、可愛い。
確かに、俺の手で好きな子を照れさせるのっていいかも。
うん、可愛いわ。
俺は、自然と笑顔になって彼女の視線に合わせるようにしゃがんだ。
下から見上げると、市谷は瞬きを多くする。
もっと見たい。
もっと、彼女のいろんな表情を。
無意識なのかそうじゃないのか、スッと伸びる自分の右手は、そのまま眼鏡へ。
彼女の顔を覆うものを取り払う。
眼鏡、その次は長く伸びた前髪。
そっと前髪をわけて、右手はそのまま彼女の左頬へ。
触りたかった。
ちゃんと熱いのか、知りたかったし、いつだって触れたいと思う。
「熱いけど。」
「それは、藍田くんが・・・。」
そこで言葉を途切れさせてもごもごと口の中に隠してしまう。
やばい、可愛い。


