バレているので、もういいか。

玲二の前でスマホをまた取り出して、LINEを開く。

『市谷愛樹:行くつもりです。ぜひ、お願いします!』

その内容は、俺がさっきの休み時間に送ったテスト勉強の誘いへの返信だった。

LINEの画面を玲二に見せると、「ふーん。」と鼻を鳴らす。

「章吾が自分から、女誘ってるなんて初めて見たわ。

ま、良かったじゃん。二人っきりで勉強会♪」

ニヤッと笑う顔を見て、妙に恥ずかしくなってきた。

「つか、あずってこう書くんだ~。」

「あ、俺もLINE交換した時に初めて知った。」

「名前負けじゃね?」

「おい。」

「こわ・・・。んな、怒んなって。」

市谷のことを好きになってから、市谷が他の奴からバカにされたりするのを見ると無償に苛々する。

まえまで、自分が率先してバカにしてたと言うのに、調子がいいもんだ。