見えなくなっても、そこをじっと眺める俺の肩を後ろからトントンとしてくる玲二。
「・・・んだよ。」
なんとなく言われることは想像がつく。
・・・完璧にバレた。
わかっているから振り返ることができない。
「章吾って、ああいうのがいいのか・・・。」
意外に玲二の感想は、そこまで興味もなさそうなものだった。
「ああいうの、とか言うな。」
やっぱり振り返ることなく答える。
「最近、仲良いな~とは思ってましたけど~。」
「うるさい。」
興味もなさそう、というのは撤回。
絶対面白がっている。振り向きたくねえ。
「今までの相談事、全部ぼちたにさんとの出来事ですか~?」
「・・・うるさい。」
もはや反論する言葉がない。勘弁してほしい。
「とりあえず・・・。」
玲二は俺の正面に回り込み、そのにやけ面を特に隠すこともせず首を傾ける。
「詳しく今までの経緯、聞かせろ。」
「・・・・。」
玲二の顔を見ることができず、視線を逸らす。
顔が熱い。
絶対からかわれるのはわかっている。けど、もう誤魔化せないのもわかっている。
逃げ場なしか・・・。
俺はあきらめて、さっきのファミレスに逆戻りした。