ぼっちな彼女に溺愛中

「アズ!」

和樹は相変わらず市谷を呼ぶ声はやさしい。

「市谷、来るな!」

「え?」

俺の制止に立ち止まる。

そして、きょとんとしている市谷を振り返った。

「藍田くん?」

見えてないのか・・・?お前の彼氏の横にいる女のこと。

ならまだ間に合うかもしれない。

「どうしたの?」

俺の異変に気付き、市谷はあろうことか近寄ってきた。

「来るなって!」

まだ間に合うなら、早くどこかへ行け。俺が時間を稼ぐ。

こんなことおかしいよな。

普通なら、市谷が二股に気付いて別れたら、俺にとってはうれしいはず。

でも、市谷が二股を知るなんて、そしたらきっと傷つくに決まってる。

そんなのだめだ。傷つけたくない。純粋な市谷だから。

なら、俺が隠す・・・。


「章吾!!!」

え・・・・?

そんなとき、俺も予想していなかった人物がやってきた。

玲二だ。ファミレスから追いかけてきたらしい。

玲二まで来て、もう収拾がつかない・・・。

どうする・・・!?