ぼっちな彼女に溺愛中

俺はそのまま和樹のいた歩道の方へ駆けた。

まだ和樹は遠くへは行ってなくてすぐに追いついた。

間違えない、あれは和樹だ。ってか、その女誰だよ。

よく見ると、和樹は昨日電車であったときよりも念入りに変装をしていて、道行く人も気づいていない。

けど、俺はわかる。ずっと見てたんだ。

尾行まがいな事をして、二人を監視した。

端から見たらどう見てもいちゃついてる迷惑なカップルだ。虫唾が走る系の。

・・・・どういうことだよ。

和樹、おまえには市谷がいるだろ?

いや。まだ二股じゃないかもしれない。ただの友達かも。

その可能性は限りなく低いけれど。だって、二股なんて・・・市谷が知ったら・・・。

そう思うと、信じたくないけど、和樹を信じたい。




二股。

頭に最低な二文字が何度も浮かぶ。

だとしたら、絶対許せない。市谷の彼氏のくせして。