ぼっちな彼女に溺愛中

もう帰ろうとゴミを片付けていた玲二が眉間にしわを寄せて俺の方を振り返る。

「おまえ、ほんっとヘタレ。

そんなんじゃこの先、なんも始まらねーし、なんも終わらねー。

ずっと立ち止まったままだぞ?」

「もう、いいわ。それでいい。俺には無理だったんだって。

玲二今日ゲーセンでも行こうぜ?最近遊んでなかったし。」

ずっと図書室ばっか行ってたし。やっぱり、高校生は遊びに行くもんだろ。カラオケ、ゲーセン!

図書室なんて真面目ちゃんが行くとこ、俺には似合わない。

「なんなら、クラスの女子らも誘う?2組は勘弁な。」

「はあ!?ったく。後悔しても知らねーぞ?」

「いいんだよ。どっちにしても、今日は遊びたい気分なんだよ。」

「あっそ。ま、俺はどうでもいいけど。そこまで、お前の色恋に口出すほど興味も暇もないし?」

玲二は「んじゃ、メンバー集めるかー。」とまたスマホをだす。

俺はそれを眺めながら、なんとか市谷のことを考えないようにした。

やっぱり俺には無理だったんだよな。

そうだ、忘れたほうがいい。めんどくさいこんな感情なんて。

まだ大丈夫だ。きっと忘れられる。市谷には彼氏がいるんだから。仕方ない。

ちょっと前に戻るだけだ。