ようやく、ばあちゃんの家に着いた
ばあちゃんの家は木造で、築100年を超えているだとか
周りは木々に囲まれていて、家の裏の方には深い森が広がっている
大きな畑が向こうの方に見えるけど、ばあちゃん家のかな?
「あー…懐かしい、かも」
かすかだけど、記憶に残ってる
木でできた立派なおうち、という認識だったけど
「そうかい?よかったよ、カナタが最後に来た時は、確か7、8年くらい前だったからねえ」
「へぇー、カナタ君、全然おばあさんと会ってなかったんだね」
詩織ちゃんは、ばあちゃんの家を珍しそうに眺めている
「カナタ、詩織ちゃん
早く上がれし!
暑いだろう?麦茶でも飲みな!」
ばあちゃんはさっさと玄関に行ってしまい、僕と詩織ちゃんは顔を見合わせる
「元気なおばあさんだね
楽しくなりそう!
これから一週間、よろしくお願いします!カナタ君」
詩織ちゃんがぺこりとおじぎする
それに合わせて、詩織ちゃんのツインテールがぴょこんと揺れる
僕も、詩織ちゃんにならって大きくおじぎする
「よろしくね!詩織ちゃん!」
この時、僕らはまだ知らなかった
この一週間が、僕と詩織ちゃんの運命を大きく変えてしまうことを……