ばあちゃんの家は結構山の方で、狭いけどそれなりに舗装された道を抜けて、山道に入って行く


涼しいなー…


そりゃ、荷台に乗ってんだから風がよく当たるせいもあるけどさ


それ以上に、都会とは気温が全然違う

あっちはムッとしてるし、死ぬほど暑くて何度か熱中症にまでなったりした


駅に着いた時から思ってたが、涼しい

さすが、避暑地になるだけあるな



道が悪くてガタガタと揺れるが、それすらも心地よい



最後にこの町に来たのはいつだったっけ


小学校………低学年くらいか?


「カナターーっ!!大丈夫かぁー?!」


運転席からばあちゃんが叫ぶ

ガタガタ道だから、気持ち悪くなったりしてないか心配してるのかな?

「だーいじょーぶーー!」


叫ぶ必要もないだろうけど、ばあちゃんに合わせて叫んでみる


今のところ森みたいなとこだし、民家が全然見当たらないから、羞恥心もない


「そーかーい!」

ばあちゃんの返事が返ってくる

なんだかんだで、久しぶりの孫に細かい気遣いをしてくれる、いいばあちゃんだなぁ

と、そんな風に思ってニコニコしてしまう僕だが


「昔、この道で酔ってゲェゲェ吐いてたからねー!あたしゃ心配だったんだよぉー!」


ばあちゃん!?!?

な、なんてこと叫ぶんだ!!!!

詩織ちゃんが隣にいるんだぞ?!


ガッハッハッと豪快に笑うばあちゃんの笑い声が聞こえてくる


…前言撤回。

もう少し気を遣ってくれ!!!!!