生贄姫



事前にばあちゃんに到着時間を教えておいたから、ばあちゃんは駅のベンチに座って待っててくれた。


それを見つけると、僕は久しぶりのばあちゃんに、思わず笑顔になってしまう



「ばあちゃんっ!!!」


僕の声に気づいたばあちゃんは、立ち上がってこちらに向かってくる


僕も、ばあちゃんに駆け寄る

「ばあちゃん、久しぶりだね」

「おお、おお、カナタ、大きくなったねぇ 」


ばあちゃんは、最後に会った時とあまり変わっていない気がする


白い割烹着に、しわくちゃの顔

僕の記憶のばあちゃんと同じだ


「こっちの可愛い子が、詩織ちゃんかい?」

「は、はい!中山詩織です!カナタ君とは家が近くて…
仲良くさせてもらってます!」

「ほう、カナタのガールフレンドじゃないのかい」

ば、ばあちゃん!?

ばあちゃんの発言に、詩織ちゃんが真っ赤になって、ワタワタする


僕も、顔が熱い


「なんてこというんだよ、ばあちゃん!僕と詩織ちゃんはそんなんじゃないって!」

必死に否定する

僕はともかく、僕なんかのガールフレンドと間違えられた詩織ちゃんが可哀想だ



…でも、内心嬉しかったりする。



「………そんなに、否定しなくてもいいじゃない…………」


詩織ちゃんが何かつぶやいたが、聞き取れなかった


ばあちゃんはニヤニヤして、

「そうかい、そうかい
カナタもそんな歳かい」

と笑ってる


結局、ばあちゃんの誤解を、解けぬまま、ばあちゃんの軽トラックに乗ってばあちゃんの家へ向かった


………僕は荷台に乗せられた


まぁ、詩織ちゃんを荷台なんかに乗せる訳などないから、しょうがないか


…でも、これ違法じゃないかなぁ?