僕ら中学生とおばさんたちを中心に、バーベキューに使う野菜や肉などを切っていく
普段料理なんかしないから、少し荒いが野菜を包丁で切る
残りの小学生たちはおじさんたちと火をおこしたり皿などを用意している
「おーい、野菜は切り終わったか?」
「あ、はい!すぐ持っていきます!」
火をおこしていたおじさんが、野菜を切る僕らに聞いてきた
切った野菜をまな板からボールに移し、おじさんたちに渡していく
そこからはおじさんやおばさんたちの出番で、網に野菜や肉、串にさしたものなどを乗せて焼いていく
割り箸と紙の皿を配られ、小さい子から順に焼きあがったものをもらっていき、最後に僕と詩織ちゃん、俊ちゃんの皿に残ったものをドンドン乗せていく
肉…より、野菜が多い
やっぱ、肉の方が人気で、余るのは必然的に野菜となるのはわかるけど……
俊ちゃんと顔を見合わせ
「肉食いたい…」
「ほんと……」
ため息をつく
僕だって育ち盛りだ
野菜もいいけど肉を食べたい
そんな僕らを、詩織ちゃんはクスクス笑いながら皿にごっそり乗った野菜を食べる
「私は野菜も好きだから別にいいよ〜
そんなに食べたいなら、ホラ、私のあげようか?」
詩織ちゃんが、自分の皿から数少ない肉を僕と俊ちゃんの皿に乗せてくれた
「お!サンキュー!!!」
「いいの?詩織ちゃん」
「うん、カナタ君たちは男の子だからね!
たくさん食べて大きくなりなさーい!」
おどけたようにいう詩織ちゃん
ありがたい!
「ありがとう!!詩織ちゃん」
なんていい子なんだ…
噛みしめるように肉にかぶりつく
あー、おいしい!
バーベキューなんて久しぶりだな
僕や詩織ちゃんにみんな積極的に話しかけてきてくれて、すごく楽しい
これなら、きもだめしも楽しくなるかな?
少しだけ、楽しみになってくる
うん、きっと楽しいはずだ
たかだか夜道を歩くだけ
何も起こらないさ