気になることはあると言えど、なんか怖い
僕自身、あまりきもだめしとかマジで苦手だし、昨日のこともある
「そうだね、やっぱり神社のやつこわかったよねー…
…なんか出てこなきゃいいけど」
「ちょ、やめてくれ!」
僕の反応に詩織ちゃんがケラケラ笑う
昨日のしおらしさはどうした!?
気持ちを紛らわすように残りのご飯をかきこむ
「ねぇ、カナタ君」
「ん?」
「この問題、わかんないんだけど」
「どれ?」
詩織ちゃんの向かい側に座っていたから、体を乗り出して詩織ちゃんの指差すところをのぞき込む
「あー、これは…この公式を使って……」
「なるほどぉ!
ありがとう、カナタ君!」
顔を上げると、すぐ目の前に詩織ちゃんの顔。
あー、可愛いなー
じゃなくて!
急いで座り直す
近かったよ、めっちゃ近かったよ!
思いがけず接近していたらことに、顔が熱くなる
「ごちそうさまっ!」
ガチャガチャと食器をつかんで台所に持っていく
…………いい匂いがしたなぁ……
って!
僕はどこの変態だよ!
頭をブンブン振って恥ずかしさを振り払う
とそこに
ピンポーン
インターフォンが鳴った
詩織ちゃんが「はーい」と言って駆けて行く音が聞こえる
僕は手早く食器を洗い、居間に戻ると…
「よ!カナタ!!」
俊ちゃんが詩織ちゃんに居間に迎えられていた
「俊ちゃん、おはよ」
俊ちゃんは黒いリュックサックを背負っている
「悪ーけどさ、夏休みの宿題手伝ってくんねぇ?」
え!?
俊ちゃんが、夏休みの宿題を真面目にやろうと!?
「カナタ、なんか頭よさそーだし、詩織もそこそこできそーな感じだし、どっちみち夕方きもだめし行くじゃん?
一緒に行こうと思ってな
ついでに宿題片付けたいし」
意外だ
意外すぎる
「へー!俊太君真面目だね!
いいよ、私もちょうどやってたの!
一緒にやろ!!
ね、カナタ君」
チラッと詩織ちゃんがこちらを見る
うわー、見透かされてるよ…
詩織ちゃんにはどうやら宿題をやる気がないことを見透かされてたみたいだ
「そーと決まったらさっさとやろーぜ!
俺数学わかんねーんだよ!」

