「?なんだい?」
「今日、変な神社を見つけたんですけど…」
…気のせいかな
ばあちゃんの顔が一瞬固まった気がする
「人形がたくさんあって、さびれた感じの神社なんですけど…
一体、何の神社なんですか?」
「あ、ああ。そりゃ白姫神社じゃないかい?
あたしが生まれる前からああだよ
何の神社なのかは、あたしも知らないけどねぇ…」
ばあちゃんが生まれる前から?
そりゃ古いな
ばあちゃんが話したくなさそうな感じなのを察したのか、詩織ちゃんは口を噤む
あ
そういえば
「ばあちゃん、石碑のこと、わかる?
白登川からなんか山の方?に登る途中にあったんだけど」
確か、『姫君ノ』ってところまでしか読めなかったやつ
「石碑?
そんなものまで見つけたのかい…
あれもあたしが生まれる前からあるんだよ
まあ、あんたらが聞いても面白いものでもないから気にしないでいいよ」
ばあちゃん、はぐらかしてるな
気にするなとかさっき自分で言っておいてなんだけど
この町には、なんか秘密でもあるのかな?
ちょっと、いやかなり気になってくる
隠されると気になるじゃないか
僕が昔ばあちゃんから聞いた昔話
かすれて読めない謎の石碑
人形だらけのさびれた神社
誰が灯したかわからない石灯籠
たった一日で、いろいろな不思議を見つけた
気になる、気になる
この町には何があるんだろう?

