詩織ちゃんの言いたいことはわかる

僕も、少し思った


けど……

「まぁ、別にいいんじゃないかな?」

「へ?」

僕の返答がよほど予想外だったのか、詩織ちゃんがまぬけた声を出す


「いや、だってさ、ね?
そんな気にしてもしょうがないじゃん

もしかしたら、誰かがあの神社に通ってるとかあるかもしれないし

仮に俊ちゃんが何か隠してても、僕らは一週間だけしかいないんだ

あんまり考える必要ないんじゃない」


そう、一週間だけだ

別に、気にしてもどうせすぐ帰るんだ


しかし、詩織ちゃんは納得がいかないような顔をする

が、すぐに「そうだね」と笑いかけてきた






♢♢♢


ようやくばあちゃん家に着いた

僕たち、結構遠くまで行ってたんだなぁと改めて実感する



ばあちゃんはすぐに夕食を作ってくれた


「ほら、さんざん歩いたんだろう?
お腹減ったろう、食べなさいな」

「「いっただっきまーす!!」」

ばあちゃんの料理は、普段母さんが作らないような見事な純和風な料理

それでも、いい香りが鼻孔をくすぐり、迷わずはしを煮物に入っているサトイモを突き刺す

…味がよく染み込んでて、美味しい!


「美味しいよ、ばあちゃん!」

「ほんと、すごく美味しいです!!」


「そうかい?
たんとお食べ!!」

僕と詩織ちゃんにほめられて、気を良くしたのかばあちゃんはニコニコとしている



疲れていたせいか、食は進み、食卓に並ぶ全ての料理を僕と詩織ちゃんで食べ尽くしてしまった


あー、お腹いっぱい…


腹がとても重い


併せて出されていた緑茶をすすっていると、ふと、食器を片付けるばあちゃんを手伝っていた詩織ちゃんがばあちゃんに聞く


「あの…」