ちょっとちょっとちょっとぉぉぉおっ

何、何

怖いんだけど!!!?


「俊太君が気づくまでの数秒で、二つの石灯籠に灯りをつけるとか、さ

ふ、ふつーに、無理だよねぇ…?」

「つーか、誰が消したんだろーな
俺らが神社を出る時にはまだついてた気がすんだけど」

俊ちゃん、そんなのんきに!

第一、自分が目撃したものがいかに恐ろしいか、気づいてないの!?

「俊ちゃん!
早く、俊ちゃん家行こうよ!!
なんか気味が悪いよッ」

「んー?
あー、まぁそーだな」

またスタスタと歩き出す俊ちゃん

なんてマイペースなんだ

俊ちゃんの後につきながら、僕と詩織ちゃんは並んで歩く

「カナタ君、これって、アレだよね
いわゆる、ゆ、幽霊の仕業だよねぇ?」

「あ、あははっ
やだなー、詩織ちゃん!
そんなもの、この世にいるわけ…」


うん、僕も同じこと考えてた

だって、おかしいじゃないか!


でも、深く考えるともっと怖い気がするし…


「詩織ちゃん、忘れよ!」

「え?」

「うん、忘れよう忘れよー!」

これから一週間、こんなこと気にして過ごすとか嫌だし!

詩織ちゃんも察してくれたのか

「そーだね、わすれましょ!」

と、僕の言葉にのってくれる


「おい、着いたぞ」

と、俊ちゃんがふと立ち止まる

俊ちゃん家に着いたようだ

青い屋根に白い壁、手入れされているのか随分綺麗だ

っていうか、なんか爽やかな外観だな…


「ホラ、さっさと上がれよ
おふくろー!
ちょっと友達に電話貸すなー!」

俊ちゃんが、奥の部屋に向かって叫ぶ

電話は、玄関の目の前の廊下にある


靴を脱いで、「お邪魔します」と詩織ちゃんと声をそろえて言い、電話に手をやる


えーと、ばあちゃん家の電話番号は…


手早くばあちゃん家の番号を押して、受話器を耳に当てる


プルルルル…


ガチャッ


『はい、長谷川です』

「ばあちゃん?
僕、カナタなんだけど…」

『カナタか!?
遅くまで、どこ行ってたんだい?
ちょっと待ってろ、すぐ迎えに行くよ
どこにいるんだい?』

「瀬田俊太ってやつの家なんだけど」

『瀬田?
あぁ、瀬田さんねぇ
結構遠くまで行ったね、待ってなすぐ行く』

「ありがとう」


電話を切り、ホッとため息をつく

ようやく、本当に家に帰れる…


「俊ちゃん、悪いけどばあちゃんが迎えに来てくれるまでここで待っててもいいかな?」

「かまわないぜ」