詩織ちゃんも感動しているみたいで、口を開けてじっと景色に見入っている




……………………



随分そうしていただろう

「カナタ君」

詩織ちゃんの声に、はっと我に返る


「カナタ君のおかげで、こんな素敵なものを見れたよ!
ありがと!!

今年一番の思い出かもしれない!」


ニコッと笑う


僕は顔が熱くなるのを感じた


ばあちゃんに、感謝、だな…

照れくさくて、つい俯いてしまう


詩織ちゃんも照れくさかったのか、


「カナタ君!追いかけっこしない!?

ほーら、つかまえてごらーん!!!」

と、突然走り出す

よーし!

「待てーー!!!」

と、僕も走り出す



この開けた場所は、他にも色々な道とつながっているようで…


僕らは無我夢中で走り回った



そのおかげで…………


「カナタ君、ここ、どこだろうね…」


迷子になってしまった