「あー、それ俺もこの前聞いたわー。」


そう言って入ってきたのは…


「知雅兄!とその他もろもろ。」


「おいおい、杏ー、それ酷くね?仮にもお前の代の幹部なのにー。」


そう言ってうるさく入ってきたのは聖吾だった。



「舞蝶ってのは既に定着したみたいだな。」


そう言って戻ってきたとたんにパソコンの前に座って操作をする和稀。


「舞蝶…ねぇ…」


その瞬間、あたしは勢い良く誰かに抱きつかれた。


ゴフッ


誰かって言ってもこんなことをする奴は一人しかいない。


「ちょっと、弘哉!」


「ひろ、やめとけ。舞蝶が怒るぞ。」


そう忠告するのは龍哉。


ここは今も変わらない。


そして、あたしの通り名となる舞蝶の話をしていた時だった。


下っ端が勢い良く上がってきて扉の前で叫んだ。


「総長!神鬼です。」


「分かった、今行く。」


そう言ってあたしは真琴達に頷くと扉を開けた。


するとそこには先ほど伝えに来ていた下っ端がわなわな震えて立っていた。


「どうした、まだ何かあるのか?」


「じ、実は…紗耶加さんが人質に…」


「何!?」


そう叫んだのはあたしではなく知雅兄だった。