そう呟くのはコンピューターと未だににらめっこを繰り返している昂輝だった。 「収穫なしか。」 そんなことをつぶやく奴らをよそに俺は別のことを考えていた。 篠山 杏 あいつは何かがある。 俺は直感的にそう感じていた。 そのためか、授業中はあいつを見てることが多かった。 見ててわかったこと。 それはあいつの目に光がないこと。 その目は酷く冷めきっていたのだ。 俺はその目をよく知っていた。 絶望の際に立たされ、闇に縋る者の目。