必至で準備をする少女。


この子の名は、篠山 杏 ササヤマ アンズ


今日から高校生になるはずの少女だった。


腰まであるであろう金髪、目は青く澄んでいる、これは遺伝ではない突然変異の姿。


彼女の素晴らしい容姿は誰もが羨むほとだった。


彼女が通うのは電車で2駅向こうの学校だった。


準備を始めてかれこれ5分。


杏は着替えを済ませて食卓にいた。


「早く食べちゃいなさい。」


そう促す彼女の母親


この家に父親などはいない。


杏が幼い頃に他界したのだった。