でも2度と感じることは出来なくなった気配。


ってことは、あたし死んじゃったの?


そんなことを思う間に気配はあたしの前で止まった。


顔をあげてそこに居たのはやっぱり知雅兄と紗耶加さんだった。


「杏、久しぶり。大きくなったな。」


そう言って微笑んでくれる知雅兄


「杏ちゃん、綺麗になったね。」


そう言ってくれる紗耶加さん。


でも、そんな2人の顔が一気に険しくなる。


これから何を言われるの?


2人の顔はまるで誰か敵に向けていたような殺気を纏ったにらみ方。


あたしは無意識に体を震わせていた。