「クソっ!」 俺はなぜ庇わなかった。 なぜ気づけなかったんだ。 あの時の瞬間を鮮明に思い出そうとするほど俺は自分を追い詰めていた。 「憐、部屋行くんだろ。」 香哉にそう言われ俺は頷くと奴らと共に杏の病室へ向かった。 俺はベッドの隣にある椅子に座ると杏の手を握り締めていた。 タッタッタッタッタ ふと誰かが病室に近づいてくる足音がした。 ガラッ そして開けられた扉 そこにはまだ若々しい女性が立っていた。