「杏をどこへやった。」 安否が知りたかった俺は何よりも先にそう発していた。 『姫様なら無事だぜ。今はな。クククッ』 今は… 「要求はなんだ。」 『頭のいい総長さんなら分かってるんじゃないかな?』 「地位か。」 『あぁ。』 そう答えた奴に俺は不信感を覚えた。 なぜ世界№1の華蝶ではなく煌龍なのか。 そこだけはどうしても掴めなかった。