「ゆっくりでいいから教えてくれ。何かあるなら共に背負ってやりたいんだ。」


そう言った俺の気持ちは本音だった。


同情なんてしない。


ただ共に背負ってやりたいだけ。


そう感じていた俺に杏は気を許してくれたのか、ゆっくりと話してくれた。


杏の両親のこと、慕っていた幼なじみのこと、飯草の姉のこと、そしてその人達の死が自分のせいだと感じてることを。


「…。」


「…。」


聞き終わった後はどちらとも無言だった。


杏はこんなにも辛いことを経験してここにいるんだという事を俺は初めて知った。