少しだけわくわくしている気持ちと、振られるんじゃないかって思う不安が俺を取り巻いていた。


そして杏の口から出た答え。


「憐、ありがとう。あたしも憐が好きだよ。」


そう返ってきた言葉。


俺は夢なんじゃないか。


思わずそう感じていた。


「え!?」


信じられない答え。


でも、それが真実だったと実感するのは杏の口から出た言葉の続きを聞いてからだった。


「でも、ごめんなさい。あたしは付き合えない。」


そう言って杏は俺に頭を下げた。