微かに漂う憐の香水。 この匂いは嫌いじゃなかった。 「うっ、うわぁーん…」 あたしはまた泣き出してしまった。 今までは絶対に泣けなかった。 でもなんでかな? 憐の胸の中でならおもっきり泣くことができたんだ。 泣けるんだ。 一方ではそう感じていた。 久々に流れた涙は長年の思いを吐き出すかのように流れた。