「うそうそ、かわいいって。」 「可愛くない。可愛いのは杏よ。」 そう言っていつもの擦りあい。 ここが煌龍の溜まり場であることを忘れていた。 「もう、良いかな?」 そう言って遠慮勝ちに聞いたのは昂輝だった。 「あ、ごめん。」 あたしがそれだけ言うと、今度は別のとこから突っ込みが入る。 「篠山さんって、『氷の姫』って呼ばれてるけど、結構話すんだね。」 氷の姫…