意を決して、ワカメ(と思われる)のカーテンのかかった扉をくぐり抜ける。
歩くのではなく、ひれをつかって泳ぐのは、なかなかに難しかった。

「とうっ・・・!ほっ・・・!よ、よし・・・・!」

なんとか懸命に動かして、扉を抜けると、歓声につつまれる。


わああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


「え・・・・!?」


そこにいたのは、多くの人魚たち。

「仲間だ!新入りだ!」

「二十年ぶりだぞ!」

と、意味の分からない言葉を繰り返している。


「はじめまして、元人間のお嬢さん?」