目を覚ますと、いつものようなふかふかの布団、ぎーぎーとうるさい目覚まし時計は存在していなかった。
あくびをしようとすると、口に空気が入ってこなかった。
靴を履こうとすると、足が無かった。
「・・・・あれ?」
ここまで来れば、いくら私でも気付く。
周りのおかしな状況に。
(私は、リアナ。
深海調査班の隊長をしている。
今日も、出勤・・・のなずなのだが。)
私の小さな22、5センチの足に触れると、感触が違った。
起きあがってみると、私の足は・・まるで魚の尾びれのような・・・。
かんじになっていた。
何が。
何があった?
考えながら体をペタペタと触ると、上半身は人間のままだった。
下半身魚。
上半身人間。
これが夢で無いのだとしたら・・・。
あの伝説の、人魚に該当する。
夢ではない気がした。
この光景も、感触も、リアルすぎるのだ。