ふぅ。疲れた。

今年に入って20人くらいは面接したかも。

海斗に不合格って伝えないと。

ってか、ちょっと怖かったなあの子。だけど、

あたしがこんなふうに強気でいられるのは海斗のおかげ。

海斗が幼なじみってこともあるけど、あたしは海斗が入っているこの学校のトップグループの一員。

だからあたしの立場はけっこう上の方なんだ。

そんなあたしに口答えする人は少ない。

あの女のコはかなり勇気があると思う。

勇気だけは合格かな?




自分の教室にもどって帰る準備をしていると、

ガラッ

教室のドアがあいた。

ふりかえると、そこには5、6人のギャル集団。

しかも、しの中心にいるのはさっきの女のコだった。

うわー・・・めんどくさくなりそう。

「佐藤さん。さっきはどーもね。」

ニコニコというより、ニヤニヤって感じで近づいてくる。

いくら立場が上でも集団でこられては、勝ち目は少ない。

「何?さっきの話は終わったでしょ?あたし帰るね。」

カバンを持って帰ろうとした。すると

「まちなよ。」

あたしの前にグループの中の2人が立ちはだかった。

「はぁーー。」

大げさにため息をついて携帯をとりだす。

『あたしの教室にきて!』

そう書いて送信する。

「何してんの?」

リーダーのコが言った。

「別に。」

メールを送ったのはトップグループの仲間、田口 翼(たぐち つばさ)

10分くらいでくるかな?

「で、用は何?」

そう言って机にすわる。

すると、

「てめぇ・・・ムカツクんだよ!!」

ドンッ!