「ここの丘は流れ星がよく見れるってこのへんじゃ有名なんよ。」


私にとって中学校生活最後の夏休み。

日頃の勉強の疲れを癒そうと、私は一人で田舎のおばあちゃん家に来ている。

ここは私の住んでいる場所とは大違いで、空気もすんでいて、街灯もかなり少ないため、夜になるとよく星が見える。

その分コンビニにがとてつもなく少なかったり、スーパーがかなり遠い所にあったりで、不便なところもある。

おばあちゃんにすすめられた、「流れ星がよく見れる丘」はそんな不便さを忘れられるような絶景スポットである。

癒しを求めていた私にピッタリの場所だ。

少し暗くなるとすぐ星が顔をだす。

「きれー」

言葉が無意識口からこぼれてしまう。

キラッ…

「あ!!流れ星だ!!!」

「流れ星がよく見れる丘」といっても、私はここに来てから一度も流れ星を見たことがなかった。

「あ、お願いごとするの、忘れてた…あー!!くやしいいい!!!」

「ちょっとお前さん、静かにしんしゃい」

「えっ…?」