「つきましたよ‥‥‥。 お嬢様‥‥‥‥!!」 「わかってるわよっ!!!!」 後藤の言葉に…悟られないように生唾をゴクリと飲み込み呼吸を整え意を決した時…先に車から降りた後藤が私の目の前の扉を開けた。 ―――サアアアア……。 風の音が二手に分かれた並木道を揺らして駆け抜けていくその音が耳に届く…。