空を見上げると、飛行機雲が一つできていた
なかなか消えない飛行機雲だった。
「1番カラフルな色はねぇ、空の色なの」
空を見上げていたら、眩しいせいか、なんだか眠たくなってきた‥‥
「‥空の色?」
「そ。空の光を分析するとね‥‥
私たちが見ることのできる色を、全部完璧に含んでるんだって。」
「‥へぇー。すごいねー」
洵は私のように空を見上げ、眠くなったのか、ゆっくりと、目をとじた。
私も真似して目を閉じる。
‥‥あー、赤い
ちょっとだけ…いいよね?
私は、そーっと、洵を日よけにして、横になった。
涼しくて良い気持ち。
しばらくして、うとうとしてきたときに、
カシャッという、カメラのシャッターみたいな音が聞こえた気がした。
直後に、『拓也に送信♪』っていう、洵の呟き声が聞こえたけれど、
私は気にせずにそのまま眠りこんでしまった。

