後ろを振り返ってみたり
あたりをキョロキョロ見渡しみたり、意味不明な私の行動をみて不思議に思ったんだろう。
「何キョロキョロしてんだ?」
こっちゃんは不服そうに私にポツリと問いかける。
「いや…、なんか視線を感じたんだけど…気のせいだったのかなぁ…。」
周りを見渡してみても、どこの誰とも視線が合わない。知り合いもいない。
うーん…
気のせいだったのかなぁ。
気を取り直して、こっちゃんに向き合って、お母さんお手製のお弁当をパクパクと食べ始めていると
「アツ先輩だったりして。」
意地悪な目をして、こっちゃんがニヤリと微笑む。
「そんなことあるわけないでしょ?」
この視線の犯人があっちゃんだったとしたら……私に話しかけてくるに決まってるもの。
こっちゃんはかわいい後輩
私は親友の妹
遠慮してる方が変だよ。
クスクス笑ながら、こっちゃんの言葉をはねつけてると
「いやー。わかんないぞ?」
「…え??」
「俺と凪紗は付き合ってる、ってウワサらしいからな。アツ先輩も気が気じゃなかったりしてー。」



