夕凪に映える月



いつも厳しいこっちゃん。
女友達なら絶対に言わないような一言で、私の頭をハッとさせて、奮い立たせてくれるこっちゃん。


カレが厳しいのは今に始まったことじゃないけれど、今日のこっちゃんは少し違う。


真剣に……腹が立ってるんだと思う。私に――。



「卒業式に告白するっていったじゃねぇか。アツ先輩に気持ちを伝える覚悟はしてんだろ??じゃぁオマエが妹ポジションから抜け出さなきゃダメだろうが!!」


「……こっちゃん……。」


「ぬるま湯に浸かってんじゃねーよ!
結局オマエは略奪愛に足踏み込んでんだろ??イイコと妹のポジション捨てられないなら、諦めて次の恋、探せっつーの!!あぁーーー!!腹立つ!!!」



こっちゃんはスプーンを持ったまま、机をガンガン殴る。
そんなカレの行動に周りにいる人たちはギョッとしていたけど、こっちゃんはそんなこと気にも止めずに


「次のチャンスで告白しなかったら、俺、オマエと友達辞めるからな!!!」

「え、えぇ~~!!?」

「俺は卑怯者と友達でいる気はねぇ!!!」


こっちゃんはプリプリ火のついたように怒り出す。




な、なんで告白しなかったら、友達やめちゃうのよぅ~!!


意味わかるよ?
こっちゃんの言いたい言葉の意味は分かるけど……何年もこの関係続けてて、一歩踏み出すのにも勇気がいる私の気持ちもわかってよ~!!!