お兄ちゃんからは地元の教育大学を受けるって聞いてたけど……。勉強しなくて大丈夫なのかな。


世間はキリキリした空気感をまとった、受験シーズン。

今三年生たちはみんな必死に勉強してるっていうのに……


「おーい!ミナト!
早くジュース持ってこい!!」

「ウルセー!アツ!!
俺をこき使うんじゃねぇ!!」



2人はのんびりフワフワした雰囲気を纏いながら、ゲラゲラと笑いあっている。


「せっかくだからナギもちょっと話そうぜ。」


あっちゃんにそう誘われて、あっちゃんの真向かいにあるソファーに腰を落とすと


「まったく……アツは陸の上でも俺をこき使うんだから…!!」


ブーブー文句を言いながらトレイにオレンジジュースとスナック菓子を乗っけた、お兄ちゃんがキッチンから姿をあらわす。




お兄ちゃんはあっちゃんの隣に腰を落とすとコポコポとコップの中にジュースを注ぎいれて


「おらよ。ありがたく飲みやがれ。」

「おー!サンキュー!!」


あっちゃんに乱暴に手渡しをする。




あっちゃん



お兄ちゃん




あったかで、大好きだったこの空間。


少し俺様なところがあるあっちゃんに
イジラレ役のお兄ちゃん
そんな二人を見てるのが大好きで
私はこうして二人の掛け合いを見てクスクス笑う。